有働眞理子研究室 〜ことばの学びと身体性〜

HOME > 研究業績

概要

研究においては,当然のことですが,学問的な興味のみならず,人々の個人的・社会的利益に貢献しうる研究を指向します。言語研究を通して対話環境改善に貢献すること,困難を抱えながら言語獲得途上にある人々を支援する語学研究をすることが私の目標です。

研究業績

 具体的には,知的障害児・者の母語獲得と外国語(英語)学習に関連する,ことばの認知科学的研究を進めています。それらは母語と外国語という違いはあれ,言語能力発達の困難を克服するという意味では,問題意識を共有するものです。知的障害児・者が尊厳を回復し,対話上のバリアを克服するのに役に立つ学術的知見、及び,英語を学ぶ日本語話者の負荷を軽減するのに役立つ知見が,対話環境改善に貢献するための,二つの研究課題です。
 知的障害児・者の言語能力については,有縁性と身体性によって日常的に活発に使用される,オノマトペという言語カテゴリーを研究対象として取り上げます。オノマトペが言語能力発達にどのように関わっているのかを明らかにするため,養護学校授業場面を観察の場として選択し,教師の意図的な発話と子どもたちの自然発生的な発話のバランスの取れた対話場面を分析します。教師の実践を観察対象とすることで,結果的に特別支援教育上の技術的示唆を得ることにもつながると考えています。