有働眞理子研究室 〜ことばの学びと身体性〜

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専門科目・専門分野:英語学研究

 中学校・高校を中心に,学校で教えられている英語の知識(主に文法)を,英語学の知見に照らして検証する。
 コミュニケーション能力育成につながる文法学習とはどのようなクオリティを満たすべきであるかを議論・考察し,精度の高い対話能力育成につながるということを学ぶ。
 小学校外国語活動については、中学校英語につながる頻度の高い英語表現や音声表現の注意事項などを話題として取り上げたい。

学校で現在も実践されている英語の教授内容には,誤解や知識不足に基づいたものがあることは,あまり知られていない。 そのために、対話能力や読解力全般を阻害することがあるという認識も不十分といわざるをえない。授業では,固定観念を外す意味で,注意すべき事実について指摘することから始めたい。
次に発表担当者を割り振り,自分の疑問点について教科書・参考書・文献などを調査し,結果を報告してもらう。(発表の方法については適宜指導する。)
発表の後,全員で討議することになっており,積極的な発言を期待する。
トピックとしては,教室で取り扱っている全ての文法的話題が対象となる。受講生の興味・関心を重視して調整するが,これまでのところ,仮定法,モダリティ(助動詞の問題やスピーチアクトなど),相,前置詞,冠詞など,古典的といってもよい課題を取り上げるものが多いようである。
小学校外国語活動に必要な文法知識としては、活動実践に直結しやすい項目として,特に名詞の意味と形、また、発音とリズムについての実践を言語学的見地から議論することも課題として取り上げる。

専門科目・専門分野:英語の仕組みと言語教育

 認知心理学の一領域として位置付けられる文法理論について,その哲学的理念,理論の組み立て,データの読み方などを学ぶ。それと同時に,読み取った言語現象を表現・記述する技術的訓練も併せて行う。外国語を知識として教える職務についている人にとっては必須の素養として心得ておきたいものである。
 トピックについては、テンス・アスペクトや冠詞、仮定法など、現職教師により重要な課題として認識されているものも取り上げて、言語学的知見の現場への還元についても考える機会を設ける。また、教科書で文法学習がどのように取り上げられているかということへの関連性についても注意を喚起したい。

 論理記号等に文法アレルギーを持っている人が多いが,この授業で行うことは,言葉を見つめる目や言語現象を分析する視点・技術など,子どもたちの言語活動を正しく観察し,問題解決を図ろうとするときにいろいろな形で参考になる内容のものである。
 学問の成果と現場の教育がどのように関連するかについても,授業参加者全員で、現場の問題も視野に入れて活発に議論したい。具体的に取り扱う内容は,下記予定に準じ,受講生のニーズやレベルに応じて、内容や進度、或いは取り扱い順序を調整する。

時間割(平成27年度)

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